旧正御影供


●僧侶・尼僧を志す皆さまへ

お問い合わせが多いので、僧侶を志す皆さんからのご質問にここでお答え致します。

ごく簡略に述べますと、僧侶になるにはまず師僧について「得度(とくど)」という儀式を受けることになります。師僧と弟子との約は生涯違うことなく続きます。「得度式」は、阿闍梨であるお師僧様から戒律や僧侶としての名を授かり、仏門に入る儀式です。国籍や老若男女の分け隔てなく、無量光院では例年4月8日の仏生会に合わせて得度式を執り行い、ここ数年は毎年20名程、多い年は50名を超える新弟子が誕生しています。

「得度」の次は「受戒(じゅかい)」です。受戒は戒壇院のある道場でしか執行できないため、高野山でも限られた道場(宝寿院や円通律寺)で授かります。三日間続けて授かり、初日は菩薩戒、二日目求寂戒、三日目に芯蒭戒です。

「得度」と「受戒」が終わると、師僧が弟子の熟練度をはかり、下座行(げざぎょう)(掃除や客人の接待等)などの下積みを経た上で「四度加行(しどけぎょう)」と呼ばれる100日間に及ぶ特別な修行に入ることを許されます。当院では住職が伝授をし、ほぼ一年中その時々の修行僧が四度加行をつとめています。

「四度加行」が無魔成満すれば、「伝法灌頂(でんぽうかんじょう)」という最高の儀式を受法する有資格者となれます。

要約しますと、僧侶になるためには次の順で修行が行われることになります。

「得度」→「受戒」→「四度加行」→「伝法灌頂」

※写真左上:無量光院得度式(平成24年 2012年) 写真右:四度加行修行者 写真左中・下:四度加行に用いる御次第と折紙

当院では国内はもとより、海外からの修行者も受けており、ここ十数年だけでも60名以上が四度加行を修法しています。うちわけは20-70代で、女性が約3割です。外国籍(中国・台湾・マレーシア・シンガポール・スペイン・フランス・イタリア等)も約2割います。

四度加行次第は日本語(漢文・書き下し文)・中国語・英語のものを各人に応じて用いています。

●当院の信徒加入をご希望の皆さまへ

今まで宗教にご縁がなく、ご先祖様のおまつりや仏壇のことを気にかけて日々を過ごしておられる方も少なくないと思われます。当院でもお電話でご相談を受けることがしばしばあります。今まで所縁の寺院がなく、お寺に行きたくてもどこのお寺に行ったらよいのかわからずに困っておられる方は、ご遠慮なくご相談下さいませ。宗派を問わずお受けしております

当院では納骨(故人の遺骨を容器に納め寺院や墓所にお納めすること)やお位牌の建立などもお受けしています。

お預かりする御納骨やお位牌の期間等につきましても、一年から永代預かりまでと、ご要望にお応えできるようにつとめています。また、当院でご回向されたご先祖様や故人の戒名や施主名等は、無量光院の歴代の過去帳にご記入し、日々の勤行の中で菩提を弔っています。勤行は一年365日朝6時より護摩修法と共に行っています。

無量光院の永代供養の特徴として、回出位牌(くりだしいはい)という形式のお位牌を建てる方が多いことです。これはお位牌の中に過去帳が入る形式になっており、皆様のご先祖様の歴代の方々のお名前を書き込み、ご一緒に供養することができるものです。数十人分のお名前を書くことができるため、ご自分のルーツを記録しておくという意味でこのお位牌を建てる方もいらっしゃいます。将来、ご自分のお子様がご先祖の由来をたどりたい時、お寺にその記録を聞きに来られる方もいらっしゃいます。そんな折にもこの過去帳が、ご先祖様への感謝と共に、ご自分の生命と家系のルーツをたどる貴重な資料にもなっています。

写真:本堂に奉安された数多の御位牌 過去帳 回向証文 朝の勤行の様子  

回向(廻向)とは、先祖、故人の慰霊のために僧侶に読経を依頼し、御仏の功徳を廻らして成仏を祈ることです。

・無量光院朝勤(音声ファイル)

【高野山の塔頭寺院を巡る】無量光院 – YouTube